「芸術とは本来、私たちの家の中に空気のように充ちているべきもの』

Art&Life

HERMES エルメスとアートとの自然なあり方

© Charlotte Dumas, Courtesy of the artist and andriesse eyck gallery, Amsterdam

銀座メゾンエルメス フォーラム「ベゾアール(結石)」写真家シャルロット・デュマの展覧会

エルメス財団では、アムステルダムを拠点に活動する写真家、アーティストであるシャルロット・デュマの展覧会「ベゾアール(結石)」を開催します。1977年、オランダ・フラールディンゲンに生まれたデュマは、現代社会における動物と人の関係性をテーマに、20年に亘り、騎馬隊の馬や救助犬など、人間と密接な関係を築いている動物たちを被写体としたポートレイト作品を発表してきました。2014年からは日本を訪問し、北海道、長野、宮崎、与那国島など全国8ヶ所を巡り、現存する在来馬を撮影し続けています。

本展「ベゾアール(結石)」は、デュマの近年の映像作品3点を中心に、動物と人間の関わり合いを再考するものです。ベゾアールは動物の胃や腸の中に形成される凝固物のことで、科学的に証明しうる医学的な現象からできた石でありながら、その存在は、古い伝承の中ではお守りや神秘的な想像と結びつくこともありました。デュマは、馬の撮影を通じて発見した原始の風景を紐解くように、馬と関連する品々や史料との対話を試み、生と死について問いかけます。私たちは、自然の一部として、動物や植物などと共存をすることでしか生きてゆくことはできません。ここで紹介するベゾアールや埴輪、木馬などの品々は、共存の一つの証でもあり、デュマの写真作品とともに、生の儚さをアレゴリカルに伝えてくれるでしょう。

GINZA MAISON HERMÈS

――――――――――――――思うに、ベゾアールとは水分の不足、すなわち死に直結しているのだろう。
その証拠にパリで目にしたベゾアールは大きく、その重さに耐え、生き延びた馬はいない。
ベゾアールは神秘的なオーラを放っている。その表面は惑星にも似て
それ故、動物の腹の中からやって来たのに、宇宙からやって来たようにも思われる。
これは、石を抱えていた動物が命懸けでこしらえた生涯の作品であり、抵抗の証でもある。
命とはかくも無常であることを、想起せざるを得ない。
―シャルロット・デュマ
――――――――――――――また、本展は、デュマが数年来協働を続ける、テキスタイルデザイナーのキッタユウコによる藍染めの布を用いたインスタレーションや、建築家小林恵吾と植村遥による会場構成などにより、デュマの紡ぐ物語をいくつかの視点から見つめることができます。自然との対話に加わることのできる空間の中で、世界中がかつてないような状況に直面している今だからこそ、これらの作品は、自然や生命について心を開き見つめなおすきっかけを与えてくれるでしょう。

GINZA MAISON HERMÈS

フォトクレジット:©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès

会期:2020年8月27日(木)~12月29日(火)

開館時間:
11:00~20:00 (最終入場19:30)

入場料:無料

会場:銀座メゾンエルメス フォーラム
(東京都中央区銀座5‐4‐1 8・9階 TEL: 03-3569-3300)

主催:エルメス財団

助成:オランダ王国大使館

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